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"Mastodon" が話題沸騰中。YaCyはどうか。 [テクノロジー]

2017年4月19日現在、世界で、そして日本で、Twitterに替わるSNS サーヴィスとしてオープン ソースの " Mastodon " がインターネット上の話題を席巻しております。

" Mastodon " はドイツの人が開発したオープン ソースの分散型SNS プラットフォームで、誰でも自由にサーヴァー上にインスタンスを作り公開する事が出来ます。
利用者はインターネット上に公開されているMastodon インスタンスにアカウントを作らせてもらい、" Toot " (トゥート / 吠える)出来ます。
" Toot " とは、Twitterで言うTweet (ツイート /呟き)の事です。
ユーザーが属しているインスタンス内だけのトゥートが流れるタイムラインと、公開されている全てのインスタンスのトゥートが流れるタイムラインとフォローしたユーザーだけのタイムラインが表示出来るようです。
他にもTwitterには無い便利な機能が用意されているそうです。


ところで、私は長いこと " YaCy " という、P2P分散型インターネット検索エンジンを利用しております。
実はこのYaCyの方もドイツの別の人が開発したオープン ソースの検索システムなのです。
ドイツではインターネット上の自由と民主主義に関心が高い事が窺えます。

Mastodonは最初に話題になってから僅か1週間程で爆発的にユーザー数を増やして来たそうです。
皆、Twitterに閉塞感と先行き不安、プライヴァシーの侵害などの問題意識を持っていて、丁度そこへ有望な代替サーヴィスが登場したというタイミングの良さも手伝っての、爆発力であるようです。

一方、完全なP2P型のインターネット検索エンジンのYaCyはと言いますと、開発が始まって10年以上経っているようですが、未だに爆発的な普及には至っておりません。
エドワード スノーデン元CIA、元NSA職員がアメリカ政府組織がインターネットを駆使して世界中で秘密裏に情報収集と盗聴、盗撮をしている事を暴露した直後には利用者が増加したものの、その後利用者は増えておりません。

MastodonもYaCyも、共に分散型の非中央集権型システムとすることにより、検閲と情報操作、プライヴァシーの侵害を防ぐ事を目指して開発されたものです。

現在もYaCyは改良が加えられており、今年の夏頃には " YaCy Grid " として大幅な進化が予定されております。
今回のMastodonの普及から、YaCyの方にも注目が集まってくれると良いのですが。

Mastodonは分散型ではあってもP2P型のシステムではないので、誰かが立ち上げたインスタンスへの登録が必要です。
もしもそのインスタンスが不安定だったり閉鎖したりした場合には、他のインスタンスへ引っ越しをしなくてはなりません。
引っ越し自体は簡単ですが、もしもYaCyのように完全なP2P型のシステムであればこういった心配は不要です。
しかしながらMastodonはリアルタイムのオンライン コミュニケーション サーヴィスである為、完全なP2Pでは実現が難しいのかもしれません。

実は、私はまだMastodonの方は利用しておりません。
もしも私が利用しているISPであるSo-netがMastodon インスタンスを立ち上げてくれたりしたら、すぐにでもアカウントを取得したいのですが、果たして望みはあるでしょうか。

或いは、YaCyのようなP2Pネットワークによる、Twitter ライクなソーシャル コミュニケーション プラットフォームが実現したらそれが最高に素晴らしい事なのですが。
匿名のP2P掲示板は既にあるようですが、私はアンダー グラウンドではなくてクリーンで、ある程度パブリックなプラットフォームが理想だと思います。
もし、現在のウェブ ブラウザーに実装されているリアルタイム通信の仕組みであるWebRTCが、NAT / ファイヤーウォールを越えて通信する為にSTUN / TURN サーヴァーが必要であるという点が無ければ、これを利用して比較的容易に実現しそうなのですが、そうは行かず。

Mastodonについてはこちらの記事に詳しく書かれております。
"ASCII.jp" の記事 "Twitterのライバル? 実は、新しい「マストドン」(Mastodon)とは!" のURL:
http://ascii.jp/elem/000/001/465/1465842/

こちらには2017年4月19日現在、Mastodon関連の近況が書かれております。
"ITmedia NEWS" の記事 "マストドンつまみ食い日記" のURL:
http://www.itmedia.co.jp/news/series/5983/

YaCyについては以下からどうぞ。
"YaCy" の公式ウェブサイトのURL:
http://yacy.net/en/index.html

[ブログ記事]
"YaCy Grid" (YaCy/2)は "Elasticsearch" を使用するとの事。
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2017-03-31

分散型検索エンジン "YaCy" が正式に日本語化されました。
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2016-02-25

検索エンジン "YaCy" は実用性充分です。
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2015-10-15

分散型検索エンジン YaCy の導入解説
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

分散型検索エンジン YaCy のアップデート
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25

分散型検索エンジンYaCyについての解説動画
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2015-03-22

Ubuntu PCでYaCy検索エンジンの為のポート開放の設定
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2014-11-06

兵隊ロボットが現実の脅威になってしまいました。 [テクノロジー]

ロシアでは " F.E.D.O.R. " という身長184[cm]もある人間型ロボット (ヒューマノイド ロボット)を開発中であるそうです。

アメリカでは2017年4月18日現在はGoogle社傘下である、Boston Dynamics社がアメリカ国防総省(United States Department of Defense)国防高等研究計画局(DARPA / Defense Advanced Research Projects Agency)の支援の元で開発された、 " Atlas " という人間型ロボットが2013年に公開され、その後大幅に改良されて度々最新型のAtlasに関する動画が公開されて来ました。

ロシア製の人間型ロボット " F.E.D.O.R. " は、アメリカの現在のAtlas程の歩行性能は無さそうですが、F.E.D.O.R.は手先が器用で工具の扱いが巧く、自動車などの乗り物に自分で乗り込んで自分で運転が可能であるなど、Atlasを上回る能力も持っているようです。

この度、 " PC Watch " の記事は次のように伝えております。
->->
[引用]
ロシア連邦政府の緊急対応省監督のもと、Android TechnicsとAdvanced Research Fundが開発を行なっているヒューマノイドロボット「F.E.D.O.R.」の2丁拳銃発砲動画がYouTubeにて公開された。
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何と、ロシア製の人間型ロボット " F.E.D.O.R. " は両手に銃器を持ち、2丁拳銃発で発砲するといった事を行ったそうです。
銃の発砲には強い反動がありますので、そうした反動にも対応出来るようです。

詳しくはPC Watchの記事をお読み下さい。
"PC Watch" の記事 "やじうまPC Watch / 2丁拳銃で目標を撃ち抜くロシア製人型ロボットが登場 ~ロシア政府は“ターミネーター”ではないと否定" のURL:
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1055474.html

両手持ちの2丁拳銃で発砲する様子を撮影した動画が公開されております。
->->
[2017年5月22日追記]
当該動画は削除されてしまったようです。
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もう1つ、こちらでは、 " F.E.D.O.R. " に関する動画が短く纏められております。


参考に、アメリカの " Atlas " の2016年に公開された動画も紹介致します。


この様にロシアとアメリカが開発中の人間型ロボットは着々とその能力を向上させ続けております。
ロボットのハードウェアの性能も向上していますし、人工知能(AI / Artificial Intelligence)の方の発展はそれ以上の早さで進んでいるようです。

ロシアとアメリカが開発する人間型ロボットの技術は、恐らくはいつか軍事目的にも使用される事になるのではないかと危惧しております。
どうでしょう、もしも近い将来、戦闘用航空ドローンの大群と、銃器を備えた人間型ロボットの大群が私達に襲い掛かって来たら、それはこの上無い脅威となるのではないでしょうか。

現在、北朝鮮によって日本を含む東アジア地域で頓に軍事的緊張が高まっており、北朝鮮が公開した軍事パレードでは北朝鮮の兵士達が一糸乱れぬ完璧に揃った動きで行進しておりましたが、彼等兵隊達の様子は人間でありながらまるでロボットのようでした。
そしてロシアとアメリカが開発するロボットは増々人間の能力に近付いて行き、銃器を発砲する事も出来るようになりました。
人間がロボットのようになり、ロボットが人間のようになるとは、悪い冗談だとは思いませんか。

SF映画で描かれた様に、人間型ロボットが戦争に導入されて、彼等に人間が殺戮される未来が現実のものとならない事を願って止みません。
この様な未来が現実にならないと言える根拠はありません。何故ならば既に中東地域に於ける戦争では無人の戦闘用航空ドローンが沢山の爆撃を行い、多くの人間を殺害しているのですから。

レンズが無くても撮影出来る。しかも撮影後に合焦位置を変えられる。しかも動画撮影可能。 [テクノロジー]

日立製作所のニュース リリースによりますと、レンズが無くても動画などが撮影可能な上、撮影後に合焦位置を調整する事も出来るレンズレス カメラの技術を開発したそうです。

"日立製作所" のニュースリリース "動画撮影後に容易にピント調整ができるレンズレスカメラ技術を開発" のURL:
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/11/1115.html

かつて、写真や動画を撮影する為のカメラは銀塩フィルムを用いたアナログ カメラでしたが、現在はCMOSまたはCCDの半導体集積回路の撮像素子を使用したディジタル カメラが主流となっております。
そしてディジタル カメラはレンズも撮像素子も小型で高性能なものが開発され、スマート フォンのように10mm未満の厚みの筐体に内蔵されたカメラでさえ4k動画像が撮影出来るようになりました。

しかしながら、そうしたカメラ モジュールであってもやはりレンズは必要でした。
レンズには凸レンズにしても凹レンズにしてもある程度の厚みがあり、また、レンズと撮像素子の間には光線を絞り込む為の空間が必要でした。

更に、より高性能なカメラのレンズは大口径であり、鏡胴に組み込まれるレンズの枚数も10枚を超え、中には20枚以上のレンズを組み合わせて1つの鏡胴に組み込んだ高級製品もあります。
こうしたレンズの鏡胴は大きく、長く、非常に重たいものです。

近年、微細加工技術、特に半導体集積回路の開発などで培われたナノテクノロジーを駆使して極微細な構造を造形し、光に対する屈折などの振る舞い方を操作したメタ表面(メタサーフェス / meta-surface)、メタ材料(メタマテリアル / meta-material)、または回折現象を利用した回折レンズ、古くは同心円状にレンズを輪切りにしてその表面部分だけを敷き詰めた様な構造のフレネル レンズなど、レンズを極薄にする事が可能な技術が開発されております。
現在も既に高級なカメラ用レンズには回折レンズが部分的に組み込まれるようになっております。
回折レンズは屈折レンズに対して、波長分散に於ける色の順番が逆となる性質があり、通常の屈折レンズと回折レンズを組み合わせる事で、色収差を効果的に打ち消す事が可能です。
これは異常分散ガラス(ED レンズ / extraordinary low dispersion lens)を組み合わせる場合と同様の仕組みです。

Canonからは積層型回折光学素子を用いたレンズが発売されております。
これは回折格子を積層化することにより、高次の回折光の画質への悪影響を無くしたものだそうです。
"ASCII.jp" の記事 "キヤノン、撮影レンズ用の積層型回折光学素子を開発" のURL:
http://ascii.jp/elem/000/000/316/316766/

NikonからはPF レンズ(位相フレネル レンズ)という呼称で回折素子を通常の屈折レンズの裏面に接合した構造のレンズ製品が販売されております。
"デジカメ Watch Watch" の "AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR" に関する記事のURL:
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview_dcm/692481.html

ですが、回折レンズなどを用いたとしても、高次の回折光の画質への悪影響を減らす為には製造費用が嵩みますし、やはり撮像素子との間には充分な空間が必要となります。

ところで余談ですが、レンズの役割というのは、多くの光を集めて光量を増やす事と、被写体から発せられた光線を撮像素子表面上に結像させる事です。
また、レンズの口径が小さいほど、その波長に於ける解像度が低下するのは回折現象が原因です。
光は光子という素粒子であり、尚且つ、電磁波と言われるように波としての性質があります。
回折現象によって光の波長に対して通り道の幅、詰まりレンズの口径が小さいほど、光子はレンズを抜けた後で大きく広がり、撮像素子上への到達範囲が広がってしまい、像が暈けてしまうのです。


今回日立製作所が開発したレンズレス カメラ技術では、レンズではなく、同心円パターンを印刷したフィルムを使用するそうです。
それを撮像素子の前面に僅かな隙間を設けて配置し、様々な方向から到来する光線を同時に記録。
同心円パターンによって生じる影に、光の情報の記録後に行う計算処理の中で同じ同心円パターンを倍率を調整して重ね合わせることでモアレを生じさせるそうです。

モアレは2つの空間周波数の干渉による唸りです。
このモアレの像をフーリエ変換して処理を施すことで元の撮影対象の画像を復元出来るそうです。
フーリエ変換を行うと画像を周波数領域表現に変えられます。
それにより特定の周期を持つパターンを除去するなどと言った事が可能です。
画像処理では一般的にフーリエ変換が多用されます。

今回日立製作所が開発したレンズレス カメラ技術では、ただレンズ無しでディジタル画像が撮影出来るだけではありません。
撮影したディジタル データには様々な方向から到来する光線が画素内に重ね合わされて記録されている訳ですから、画像処理内でモアレを作り出す際に使用する同心円パターンの倍率を微妙に変化させて調整することにより、選択的に特定の距離にある物体表面から到来した光線とフィルム上の同心円パターンとによって生じた影と、画像処理内で生成した同心円パターンとの干渉縞を作ることが出来ます。これにより撮影後に合焦位置を変えられる訳です。

この技術では何と、一般的なノートブック PCで30[fps]の動画像を撮影、処理出来るとの事です。
これにより、超薄型の動画撮影可能なカメラが出来、3次元的な情報も得られるでしょうから、ロボットや自動運転自動車に搭載する事で製造費用の削減や設計自由度の向上などに繋がって行く事が期待出来そうです。


オンライン百科事典 "Wikipedia" の "レンズ" についてのページのURL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/レンズ

"Wikipedia" の "フーリエ変換" についてのページのURL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/フーリエ変換

"Wikipedia" の "モアレ" についてのページのURL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/モアレ

"Wikipedia" の "回折" についてのページのURL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/回折

尚、私はこのニュースリリースをガジェット&テクノロジー サイトである、GIZMODO ジャパンで知りました。
"ギズモード ジャパン" のウェブサイトのURL:
http://www.gizmodo.jp/

真の "ホログラフィック 3D映像表示システム" が開発された。 [テクノロジー]

国立研究開発法人 情報通信研究機構 (NICT)が遂に、真の " ホログラフィック 3D映像表示システム " を開発したそうです。

"情報通信研究機構" のウェブサイトのプレスリリースのページ "シースルーなプロジェクション型ホログラフィック3D映像技術を開発" のURL:
http://www.nict.go.jp/press/2016/10/13-1.html

電子ホログラフィとは、写真技術によるホログラムの記録再生技術がビーム スプリッターで分割されたコヒーレントな(可干渉性の)レーザー光線の物体光と参照光の干渉縞を利用するのと同様に、コンピューターによって計算された干渉縞に相当する超高精細な縞模様空間光変調器(SLM)という装置を用いて再現し、これによる光の回折で3次元の物体から反射してくる光線を完全に再現する技術です。
情報通信研究機構では、空間光変調器として液晶デヴァイスを用いているようです。
空間光変調器にはNHK放送技術研究所が研究開発しているもののようにスピントロニクス素子を用いるものもあるようです。

情報通信研究機構ではこの空間光変調器を内蔵したホログラフィック プロジェクターと、コンピューターによる計算で設計した光の波面をホログラムとして記録出来るホログラム プリンターを開発たそうです。

そして、ホログラフィック プロジェクターから投射される光線を3次元の情報を保ったまま見る人の位置に向かって適切に反射する事が出来る、特殊な透明な光学スクリーンをホログラム プリンターを用いて作成し、ホログラフィック プロジェクターとその透明な光学スクリーンを組み合わせる事により、所定の位置から透明スクリーンを見た際に空間に浮かび上がる3次元の立体映像を片目でも両目でも見る事が出来る比較的簡便且つ大きな面積の裸眼立体視システムを実現したそうです。

ホログラフィック3D映像技術。透明な板に緑色の図形や文字が表示されている。
NICTのプレスリリースに掲載されている画像。

プロジェクション型ホログラフィック3D映像技術とその応用例がイラストレーションで示されている。
NICTのプレスリリースに掲載されている画像。


現時点では立体視出来る位置は1箇所に限定され、また、色は緑色1色のみですが、今後は見られる位置を自由に走査可能にし、フルカラー化を目指して開発を続けるそうです。

尚、従来の電子ホログラフィは極小面積であるか、視野角が非常に狭いか、非常に大規模な光学系が必要なものでした。
今回の情報通信研究機構による開発成果は、それらの問題を克服し、電子ホログラフィという真の、完全な裸眼立体映像システムの実用化への道を拓いたと言えるでしょう。



ところで、電子ホログラフィ以外の立体視技術はどのようなものがあったか御存知ですか。

まず、右目用と左目用に視差のある映像を赤色と青色の色で表現して重ねて表示し、それを赤色と青色のフィルター付きメガネを掛けてフィルタリングして見る事により立体に見える " アナグリフ " は、とても単純であり、古くから用いられて来た立体視技術ですので、体験した事がある人も多い事でしょう。

軽量な偏光フィルター付きメガネを掛けて左右の目に異なった偏光で視差のある2つの映像をフィルタリングして見させる事で立体視を実現する方式も映画館などで体験した事があるかもしれません。

右目用と左目用に視差のある映像を交互に表示し、それを少し重い液晶シャッター付きメガネで映像と同期させて遮断して見させる事により立体視を行うアクティヴ シャッター方式も体験した事があるかもしれません。

それらの技術いづれも専用のメガネを装着しなくては立体視出来ず、また、色の再現性が損なわれたり、視差映像が不適切に重なって映像が二重に見えてしまったり、映像が暗くなってしまうなどの不都合がありました。

そこで、裸眼立体視を実現する技術の開発が精力的に試みられ、幾つもの方法が生み出されました。

微細で縦方向に細長い凸レンズが並べて敷き詰められた表面の構造を持つ液晶ディスプレイは、レンチキュラー レンズ方式と言い、複数の視差映像用の画素の光を凸レンズによりそれぞれ任意の角度で放射する事により多視点で裸眼立体視を実現しました。
しかしながら、水平方向の立体感はあるものの垂直方向の視差は無い為、顔を横に傾けると立体視出来ず、また、視点数を増やそうとすると水平解像度が低下してしまう問題がありました。
加えて、あくまでも両眼視差による立体視である為、片目を瞑ると立体視出来ない欠点もありました。

インテグラル フォトグラフィ方式の裸眼立体視ディスプレイは、撮影装置と受像装置の両方に於いて、画面解像度分の微細なレンズを敷き詰めて、そのレンズ アレイの個々のレンズの各々に多数の画素を配置する事により、多数の方向から来る光線を捉え、それをそれぞれ本来の方向に向かって再現する方式です。
見る人の位置や顔の向きに依らず、常に立体視が可能です。
しかし、解像度を上げようとすると莫大な数の画素が必要になる為、高解像度化は非常に困難です。

他にも高速回転する板に多方向から映像を投影する事で立体物を視認できるようにする技術も開発されました。
これはモーターで板を回転し続ける必要があり、また、通常の風景などを立体表示するのには適していません。

再帰反射材のスクリーンに多方向からプロジェクターで映像を投影する事で立体物を視認できるようにする技術も実用化されました。私は見た事が無いのですが、ヴァーチャル リアリティの初音ミク コンサートなどでこの技術が使われたそうです。

以上の様に、様々な立体視技術が開発されて来た訳です。
果たしてホログラフィック プロジェクターは究極の立体視映像システムとして普及する事が出来るでしょうか。
私はその日が来るのを楽しみに待ちたいと思います。

"SpaceX Falcon 9" ロケットの爆発事故。 [テクノロジー]

" SpaceX " 社が開発している、再使用可能のロケットとして注目を集めている " Falcon 9 " ロケットですが、2016年9月1日、フランスの通信衛星運営企業であるEutelsat社とアメリカのfacebook社が共同で運用する予定のイスラエルのSpacecom社製の通信用人工衛星 " AMOS-6 " を搭載しての地上試験中に爆発事故を起こしたそうです。
このロケットは2016年9月3日に打ち上げを予定しており、その準備としてのエンジン燃焼試験中だったそうです。

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[2016年9月14日追記]
掲載していた動画はロケットの爆発を遠景から捕えた貴重な映像でしたが、削除されてしまったようです。
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現地に居た人が投稿したらしき動画ですが、もの凄い大爆発を起こしております。 橙色の閃光を発し、空高く煙が立ち上り、低い轟音が聞こえます。

場所はアメリカの " Cape Canaveral Air Force Station " (ケープ カナヴェラル空軍基地)だそうです。

Falcon9 ロケットはその名が示す通り、1段エンジンとしてロケット エンジンを9基搭載しており、大型の人工衛星などの貨物を低軌道に打ち上げる性能があります。
低軌道への軌道投入能力は22,800[kg] (22.8[t]), ロケットの高さは70[m], 総重量は549,054[kg] (約549[t])との事です。
ロケットは極めて大量な燃料を搭載している為、火災が発生した際にはこの様な大爆発に繋がるのでしょう。

既に船上着地を成功させていたSpaceXですが、やはりロケット開発は非常に難しいものである事が分かります。


こちらは近接撮影の動画です。

私のブログ記事: "Falcon 9" ロケットが船上着地に成功したそうです。
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2016-04-09

[参考ウェブ ページ]
"Engadget Japanese" の記事 "今週末打ち上げ予定だったFalcon 9ロケットが爆発炎上。積荷のAMOS-6通信衛星も失われる" のURL:
http://japanese.engadget.com/2016/09/01/falcon-9-amos-6/

"Wikipedia" の "ファルコン9" のページのURL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/ファルコン9

"GIGAZINE" の記事 "SpaceXのロケット「Falcon 9」が大爆発して打ち上げ予定だった人工衛星もろとも破壊、今後の打ち上げにも影響は必至" のURL:
http://gigazine.net/news/20160902-spacex-falcon-9-test-failed/

あなたは常に、盗聴、盗撮、分析されている。 [テクノロジー]

ドキュメンタリー映画 " シチズンフォー スノーデンの暴露 " (CITIZENFOUR)の公式ウェブサイトのURL:
http://gaga.ne.jp/citizenfour/

ドキュメンタリー映画 " シチズンフォー スノーデンの暴露 " (CITIZENFOUR)の予告映像


これは、全市民監視体制について、エドワード スノーデンさんによる告発の過程を記録したドキュメンタリー映画です。

映画館へ行った事がある人も、まだない人も、皆この映画は観ましょう。

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[翌日追記]
ブログ記事:
映画 "シチズンフォー" (Citizenfour)を観て参りました。
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2016-06-11
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低消費電力の人工知能専用チップである "IBM TrueNorth"。 [テクノロジー]

IBM社が開発した、 " IBM TrueNorth " というプロセッサーは非常に少ない消費電力で動作する、人工ニューラル ネットワークを集積回路に実装したコンピューター チップです。

"GIGAZINE" の記事 "IBMの「脳」を模した超省電力チップ「TrueNorth」が着実に進化、ネズミの脳レベルに到達" のURL:
http://gigazine.net/news/20150820-ibm-truenorth-for-smartphone/

"IBM Corporation" のウェブサイトのページ "IBM Brain Power 脳からヒントを得たコンピューター・チップ" のURL:
http://www.ibm.com/smarterplanet/jp/ja/brainpower/

"IBM Research" のウェブサイトの PDF文書 "Cognitive Computing Systems: Algorithms and Applications for Networks of Neurosynaptic Cores" のURL:
http://www.research.ibm.com/software/IBMResearch/multimedia/IJCNN2013.algorithms-applications.pdf

現在までの一般的なコンピューターに用いられて来たノイマン型のアーキテクチャーに基づくシステムでは、処理装置(MPU)と主記憶装置(Main Memory)が別に配置されており、データの移動に非常に多くの時間とエネルギーが必要でした。
そしてCPUはGHz(ギガヘルツ / 10億ヘルツ)単位の超高速のクロックに基づいて動作し、各演算コアは情報処理中は常にコア全体で大きな電力を消費し続ける必要がありました。
こうしたアーキテクチャーに基づいたシステムで人間の知能に匹敵する様な演算処理性能を実現しようとした場合、現在よりも遥かに微細なトランジスターを遥かに大量に集積した上で遥かに高速に動作させる必要があります。
従来、ムーアの法則に従ってコンピューターのプロセッサーのトランジスターの集積度が向上して来ました。
ムーアの法則では、半導体集積回路のチップ上のトランジスター数は18か月で2倍、詰まり、15年で1,024倍 ( 2^( 15 / ( 18 / 12) ) = 2^10 = 1,024 ) になるとされていました。
ところが近年、集積回路上の電力密度が高過ぎて冷却出来なくなる問題や、原子の大きさによる制限、量子力学的なトンネル現象等による問題、高エネルギー粒子の衝突確率に起因する信頼性の問題、半導体集積回路製造でのフォトリソグラフィー用露光装置の光源波長の問題等からより高性能なプロセッサーの開発が極度に困難になって来ました。
技術的にはどうにか可能であっても費用の問題から開発速度は鈍化しつつあります。

そしてもしも近い将来に製造可能なプロセッサーを用いて人間の知能に匹敵する処理性能を有する程の大規模なスーパーコンピューターを建設したとしても、それを動作させる為に必要な電力を賄う為だけに専用の原子力発電所を建設する必要があると言われています。

人間の脳は同じ位の情報処理の為に僅か20[W]程度しか電力を消費しません。

ところで、動物の脳の神経細胞を参考にして作られた最初の簡単で基本的な人工神経のモデルが形式ニューロンと呼ばれるものだそうです。そしてそこから単層パーセプトロン多層パーセプトロンの一種で学習アルゴリズムが改良され深層学習ディープ ラーニングと呼ばれている深層畳み込みニューラル ネットワーク (Deep Convolutional Neural Networks)へと発展して来たそうです。

オンライン百科事典サイト "Wikipedia" の "ニューラルネットワーク" のページのURL:
https://ja.wikipedia.org/wiki/ニューラルネットワーク

こうして実用化されつつある人工ニューラル ネットワークによる人工知能 (AI / Artificial Intelligence)ですが、従来はこれをノイマン型アーキテクチャーのシステム上でソフトウェアによりシミュレーションしていました。
また、人工ニューラル ネットワークは並列化に向いている為、グラフィックス アクセラレーターとして発展して来たGPUが載ったヴィデオ カードにより大規模並列処理を行う事で性能を稼いで来ました。
しかしながら、こうした人工知能の能力はまだ人間の知能には遠く及びません。
特定のタスクに於いてのみ、人間を上回るだけです。
そして前述の幾つもの問題から人間の知能に匹敵する性能を持つ人工知能の実現には長い年月が必要であると考えられて来ました。

この様な状況の中、アメリカ国防高等研究計画局 (DARPA / Defense Advanced Research Projects Agency)による " SyNAPSE " (Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics) プログラムの中でIBMは人工ニューラル ネットワークをハードウェア化して集積回路上に実装する事に成功し、256個のニューロンと262,144個のシナプスを実装したシングル コアのチップを2011年に発表しました。
その後、このプロセッサーを改良して5,400,000,000個のトランジスターから成る4,096個のコアを集積し、1,000,000個のニューロンと256,000,000個のシナプスを実装した " TrueNorth " というチップが2014年の8月に発表されました。
このチップは、従来のノイマン型コンピューターとは異なります。演算回路と記憶回路が極めて近い位置にあり、データの移動に必要な時間と電力を大幅に削減出来ます。
このチップは実時間での処理に於いて驚くべき事に僅か70[mW]程度しか電力を消費しないそうです。
このチップは単体で昆虫の脳に匹敵する性能を有しており、このチップを16個搭載した基板で蛙の脳に匹敵する性能を実現し、更に2015年8月17日にはこの基板を多数連結して齧歯類の脳に匹敵する48,000,000個の神経細胞を実現した事が公表されたそうです。

但し、このチップには学習機能がありませんので、従来の高性能なノイマン型のコンピューター上で学習した結果をこのチップに入力しておく必要があるそうです。

"GIGAZINE" の記事 "IBMが人間の脳と同じ構造を持つプロセッサーの開発に成功" のURL:
http://gigazine.net/news/20140808-ibm-brain-similar-processor-chip/

この " TrueNorth " プロセッサーは非常に高速なクロックにプロセッサー全体が常に同期して処理が実行される従来のプロセッサーとは異なり、イヴェント駆動型と呼ばれる処理が行われるそうです。
低速な、1[kHz]、詰まり時間ステップが1[ms]のクロックに対する全体の同期はあるけれど、それぞれの部分は信号を受け取った時にのみ起動して処理を行い、処理を終えて信号を送出した後はまた待機状態になります。その為、多くの時間、多くの領域は待機状態で過ごす事が出来、その結果として優れた省電力性を実現出来るのです。

このプロセッサーではスパイキング ニューラル ネットワークと呼ばれるアーキテクチャーを採用しているようです。
動物の脳の神経回路では神経細胞のスパイクと呼ばれる活動電位の発火タイミングによる情報処理が行われており、これを模倣した情報処理を行うものだそうです。
具体的には、 " Leaky Integrate-and-Fire " (漏れ積分発火)モデルであるそうです。

スパイキング ニューラル ネットワークについては、更新日が2009年3月と古いですが次のページが参考になると思います。

"九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻(脳型情報処理機械講座)脳型集積システム森江研究室" 様のページ "ニューロンのスパイク発火タイミングによる情報処理モデルとそのLSI化" のURL:
http://www.brain.kyutech.ac.jp/~morie/topics/spiking.shtml

" TrueNorth " プロセッサーは256本の入力線を軸索に対応させ、256本の出力線を樹状突起に対応させたクロス バー構造だそうです。
これらの交点をシナプスに対応させているようです。シナプスから見て信号は軸索から入力されて樹状突起へ出力されます。ニューロンから見ると信号は樹状突起から入力されて軸索から出力されます。
各コアには約100[kbit]のメモリーが備えられており、ニューロンの状態情報と信号の受信元と送信先のアドレス情報等が格納されます。
また、各シナプスに於ける接続の強さの値も記憶されます。
格子状に配置された各コアには通信の為の回路が備えられており、各コアは別の256個のコアから信号を受け取り、アドレス指定した256個のコアへと信号を伝達する事が出来るそうです。
擬似乱数生成器によって生成される乱数により、人工ニューロンの活動にノイズを与えているようです。


" IBM Systems - Japan " 様による " SyNAPSE " プロセッサーについての解説動画を掲載させていただきます。


2013年に録画された動画なので情報はやや古いものであり、また雑音が多くて聞き取り辛いですが、日本語で分かり易く説明して下さっております。

ところで、先にも述べましたが、このチップには学習機能が無いという欠点があるそうなのですが、他の研究開発組織により、同様の人工スパイキング ニューラル ネットワーク回路に汎用回路を統合して学習機能を実装する研究開発が行われているそうです。
もしこれがうまく実現出来たならば、意外に早く人間の知能に匹敵する人工知能が誕生するかもしれませんね。

"Falcon 9" ロケットが船上着地に成功したそうです。 [テクノロジー]

" Elon Musk " (イーロン マスク)さんが設立した宇宙輸送関連企業である " SpaceX " (Space Exploration Technologies Corporation / スペースX)社が開発したロケットの " Falcon 9 " (ファルコン 9)がこの度2016年4月8日(アメリカ現地時間)に国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給船 " ドラゴン " (CRS-8)を搭載して打ち上げられ、第一段機体が遂に大西洋上に浮かぶ着陸基地、艀である無人船の上に無事に着地する事に成功したそうです。
尚、物資輸送船にはISSに追加される膨張式の居住棟が含まれる3.2[t]もの物資が積載されているそうです。

この件に関して、マイナビニュースの記事で詳しく解説されていたのでURLを載せさせて頂きます。

"マイナビニュース" の記事 "スペースX「ファルコン9」ロケット、船へ着地成功 - 補給船打ち上げも成功" のURL:
http://news.mynavi.jp/news/2016/04/09/040/

更に、 " Falcon 9 " についての詳しい解説記事のURLも紹介させて頂きます。

"マイナビニュース" の記事 "着陸に成功したスペースXの「ファルコン9」ロケット - 実は「フル・スラスト」という名の進化版だった" のURL:
http://news.mynavi.jp/articles/2016/01/25/falcon9_ft/


AFP BB NEWSの動画を見ると、見事に着地に成功しておりますね。
9基のエンジンが同時に燃焼ガスを噴射している様は実に迫力があります。

SpaceX社のFalcon 9 ロケットについては今までに船上への着地が失敗して爆発してしまう映像を何度か見て参りましたが、漸く、成功したようですね。

Falcon 9 ロケットは打ち上げ能力も高いようで、このロケットが何度でも再利用可能になれば、日本のH-IIA ロケットのような、1度の打ち上げ毎に海洋投棄してしまうような従来のロケットは見劣りするようになりそうです。

以前、 " Amazon " (アマゾン)社の共同創設者で最高経営責任者(CEO)の " Jeffrey Preston Bezos " (ジェフリー プレストン ベゾス)さんが設立した航空宇宙企業である " Blue Origin " (ブルー オリジン)社が開発したロケット " New Shepard space vehicle " も陸上への垂直着陸に成功しておりました。

アメリカでは民間企業が世界最先端のロケットを開発し、瞬く間に改良を重ね、技術革新を成し遂げました。
日本を含め、他国に於ける国家事業のロケット開発をも上回る開発力を民間企業が持つ事が出来るという事は実に驚くべき事です。



ところで、宇宙開発は進めてくれて結構ですが、私達の頭上に見えているあの " " についてだけは、どうか開発や探査の名の下に穢さないでいただきたいと願っております。
もう既に " Google Lunar X Prize " という、多数の月面車による月面走行を含む月面探査コンテストが行われてしまっておりますが、もうこれ以上、月には手を出さないでいただきたいです。
人体の一部をカプセルに入れて埋設してくるだとか、企業の広告を設置するだとか、宗教の象徴の物を突き刺すだとか、深い穴を掘削するだとか、更には月面ホテルを建設する等というようなプロジェクトは中止してもらいたいと思います。

尚、火星ならば私達から肉眼では見えない所にありますので、開発等しても私は文句を言いません。


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